繰り返し
- ある行為を繰り返していると、その質はだんだん劣化していく。
- その行為をなすことに対する熱や、意識が薄れていく。
- なぜだろう。
- ほとんどの人がこれには該当すると思う。ということはヒト(生物)に普遍的なことなのだろう。
- ということはそういうあり方が生存に適しているということだろう。
- 劣化するということは、無駄な部分がそぎ落とされてシンプルになっていくということでもある。ある意味洗練されていってると言える。
- 何も考えていなくても、自動的に行なえる行為。
- それは、素早く、かつ上手い行為。
- 繰り返しは経験の謂でもある。
- そんなとこだろうか?
- ものごとを「適当」に処理できるようになるのは生物の本来のあり方なのかも。
- 「省エネ」と「自動的」は生存のための重要な要素ではないかと思います。
- 「パレートの法則」でしたっけ?ハチかアリかのうち7〜8割は常に怠けているっていう話。ある集団で熱心に働いている連中だけを集めて新たな集団を作っても、結局同じくらいの率で怠ける。
- ああいう社会的な生物の場合、全体でひとつの生物と考えたらいいのかも。
- 常に省エネ状態でいることが大切。
- でないとイザとなったときに対応できない。
- ゆえに、いかに省エネ状態になれるようにするかが生物の行動の規範になっているのかもしれない。
- ハチの集団は、全体としての省エネ行動をして、常に余力を持たせているということでしょう。
- 会社もそういうつもりで怠けている人を許してもいいのに?
- そんな人がいられてこそ、集団のゆとりのようなものが生まれて、いいものが出てくるかもしれない。
- ま、無理でしょうね。全員が目いっぱい働いてないと、人間は気がすまないらしい。
- 行為の繰り返しが省エネモードに移行したら、それだけで怒られてしまう。
子どもが苦いのを嫌う理由
子どもは全般に苦い味を嫌うようだ。
それにはどうやら理由があるらしい。
- 毒性のあるものは苦い味である確率が高い。
- 子どもは抵抗力がない。
- 自分の身を守るため、苦い味のものは排除しようとする。
- 子どもの味覚はもともとが敏感にできている。
- 抵抗力がつくにつれて味覚は鈍くなっていく。
- 苦いものも平気になっていく。
- 多少の毒性があったとしても、食べられるものは食べないと生存に問題があるから。
- 子どもが甘いものを好むのも当然。
- 甘いものは栄養があり、成長のエネルギーになるから。
そんなところだったらしい。
サルに噛まれた話
今サルの写真を見ていて不意に思い出した。
サルに噛まれたことを。
小学生の低学年の頃だったと思う。
近所の魚屋さんがサル(たぶんニホンザル)を飼っていた。
彼(ないしは彼女)はいつも店の前の止まり木に乗っかって、道ゆく人を睥睨していた。
子どもたちはちょっかいを出したり出さなかったりだったが、サルの周りに集まることがよくあった。
その日もぼくは魚屋の前で数人の友人とともにたむろしていた。
なんとはなしに魚などを見ていると、不意に頭に痛みを感じた。
サルの奴がぼくの頭を噛んでいたのだった。
両手でつかんで、リンゴでもかじるように。
年齢からすると泣きだしてもおかしくなかったと思うが、泣かなかったと記憶している。
あんまりびっくりしすぎたのだろう。
友人や、魚屋のおっちゃんの方が焦って、なんとか引き離してくれた。
サルはなぜぼくを噛みたくなったのだろうか?
本気で噛んでいたら、いくらかは噛み千切られていただろうから、本気ではなかったのだろう。
たいして血も出なかったようだった。
ぼくの頭がなんだか美味しそうに見えたのだろうか。
それともなんとなくむしゃくしゃしていたのだろうか。
子どもたちにちょっかいを出されて?それとも出されなかったから?
あるいは、目の前にちょうど頭があったからつい噛みついてしまったのか。
ぼくとしては最後のが理由ではないかと思っている。
ぼくも、ときおり似たようなことをするから。
公衆電話が並んでいるような場所で、友人が電話をかけているその横で電話をしている人の、その電話の受話器を置く部分にあるボタンをチンと押してしまったり(当然、電話は切れる)。電話をしていた人は、ひどくびっくりした表情をしていた。ぼくもびっくりした。
電車で腰掛けていて、目の前にぶら下げられていた(他の人の)カバンの留め金をついパチンと外してしまったり。運良く中身は出てこなかったが。これもなかなかびっくり。
これは未遂だが、目の前に背中を向けて立っていた女の子のお下げをつい引っ張りかけてしまったり。
人は、ぼんやりしてるときについ、本能的に何かしてしまうようだ。
サルも似たようなものじゃないかと。
そのサルもぼんやりしていたところに、目の前になんだかちょうどいいものが出てきたのだろうと思う。
もちろん、その後、そのサルの近くでは油断しなくなりました。